琵琶湖のイラスト

このページでは、日本最大の湖である琵琶湖の基礎情報をまとめました。

琵琶湖の大きさや深さを具体的な数値で表にまとめ、更にイラストも使って説明します。

更に琵琶湖で釣りをするなら理解しておきたい北湖の還流(湖流)や南湖の水の流れも、イラストで解説します。

琵琶湖の大きさ

日本最大の湖である琵琶湖の面積や長さについて解説します。

琵琶湖の面積

琵琶湖の面積

琵琶湖の面積669.26㎢
北湖の面積618.0㎢
南湖の面積50.7㎢

琵琶湖の面積は669.26㎢であり、滋賀県の面積(4,017.38㎢)の約6分の1になります。
琵琶湖は南湖よりも北湖の方が圧倒的に大きく、北湖と南湖の面積比は「12:1」です。

日本最大の琵琶湖ですが、世界の淡水湖の中では129番目の大きさ。
更に塩湖を含めると188番目、ダム湖も含めると200番目以下になります。

ちなみに、日本の大きい湖の2番目である「霞ヶ浦」の面積は、約220㎢。
霞ヶ浦は琵琶湖の約3分の1の大きさです。

琵琶湖の長さ

琵琶湖の長さ

南北の延長63.49km
最大幅22.8km
最小幅1.35km
周囲235.20km

面積は日本で1番の琵琶湖ですが、実は周囲の長さは霞ヶ浦に負けています。

霞ヶ浦の周囲長は251km。
わずか16kmほど、琵琶湖の周囲長の方が短いのです。

琵琶湖の深さ

琵琶湖で一番深い場所と平均水深

琵琶湖の最大水深103.58m
平均水深41.20m
南湖の平均水深約4m

琵琶湖で一番深い場所は、北湖西岸の安曇川から北東約2.3kmの地点にあります。
水深50mを超えるような深い場所は、西側に偏っています。

全体の平均水深は41.20mありますが、南湖だけの平均は約4m。
南湖はかなり浅く、浚渫跡を除けば、水深は深くても7mほどです。

琵琶湖の断面図上図は『琵琶湖ハンドブック 改訂版(2012年)』を参考に作成

なお、日本で一番深い湖は、秋田県の田沢湖です。
最大水深が423.4mあり、琵琶湖より約4倍の深さがあります。

還流(湖流)について

北湖の還流について

琵琶湖には「還流」と呼ばれる渦状の流れが存在します。
(釣り人はよく「湖流」と言っていますが、正式には「還流」と呼称されている。)

還流の流速は毎秒10~20cmほどです。
還流の影響が強いエリアはバス釣りにおいて有力なポイントが多く、特に北湖で釣りをするならば意識しておきたい知識です。

特に還流が強いエリアとして有名なのが、安曇川河口エリア。
第1還流と第2還流がぶつかるエリアでもあります。

初期の調査では3つの渦上の還流が存在するといわれていました(下図の緑点線)。
しかし最近では、主な還流は2つと言われています(下図の黒線)。

琵琶湖の湖流・還流

上図は『滋賀県の気象(1993年)』を参考に作成

還流は4月の春頃から発達していき、晩秋から冬にかけて消滅します。
しかし最近は温暖化の影響もあり、暖冬のシーズンには真冬の1月にも還流の存在が確認されることもある。

南湖の流れと反転流について

南湖は浅く狭いため、北から南の瀬田川にかけて真っ直ぐ流れます。

しかし「山ノ下湾」「赤野井ワンド」「北山田」といったワンドエリア、角地の「浜大津エリア」や「矢橋帰帆島」周りの水路エリアでは、下流の瀬田川洗堰の放流量によって反転流が発生します。

琵琶湖の南湖の湖流

上図は『琵琶湖南湖の湖流に関する水利模型実験』を参考に作成

瀬田川洗堰の放流量によっても、反転流の発生の仕方は変わります。

琵琶湖の深呼吸(全層循環)について

水中の生物は、水中に溶けている酸素を使って生きています。

水面の水は空気中の酸素が直接水に溶けていきます。
しかし湖底付近の水には酸素が溶けて供給されることはなく、湖底の生物が酸素を消費するだけ。
そのため、湖底の酸素は徐々に減少していきます。

寒い冬になると、琵琶湖の表面の水が冷却され、高密度になります。
高密度で重くなった上層・表面の水は下層へ沈んでいき、湖面から湖底へ向かう垂直方向の対流が発生します。

冬に発生するこの対流によって、酸素を多く含んだ水面の水が湖底に到達し、深い湖底に酸素が供給されるのです。

湖底の酸素は夏にかけて減少し、冬の全層循環で回復するというサイクルが繰り返されてきました。

しかし最近は機構の温暖化により、2019年と2020年には全層循環が起こらない事態が発生。
ただ幸いにも、今年2021年には3年ぶりの全層循環が確認されました。

参考
  • 琵琶湖ハンドブック編集委員会 『琵琶湖ハンドブック 改訂版』 滋賀県 2012年
  • 滋賀県教育委員会 『あおい琵琶湖 中学校編』 滋賀県 2011年
  • 彦根地方気象台 『滋賀県の気象』 大蔵省印刷局 1993年
  • 滋賀県ホームページ 「滋賀の環境2020(令和2年版環境白書)」 【巻末資料2】滋賀県・琵琶湖の特徴 https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5233527.pdf
  • 京都大学防災研究所 『琵琶湖南湖の湖流に関する水利模型実験』 http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00064/1996/1996-02-0054.pdf