
この記事ではダイワの15タトゥーラTWのオーバーホールのやり方について、32枚の写真を使って詳しく解説します。
タトゥーラはダイワのリールですが、実は私はダイワリールのオーバーホールの経験が少ないです。
自分がシマノばかり使っているので、どうしても経験がシマノの物に偏っています。
不慣れなリールということもあり、最初はダイワのホームページのweb展開図で予習しようと思ったのですが、ホームページに表示されない…。
ぶっつけ本番で、慎重に作業していきます。
ボディの開封作業
まずは、サイドボディを10円玉などのコインで開けます。
スプールも取り出したら、次は反対側のハンドル外しの作業です。
これは左ハンドルなので、ナットは反対側に回して外します。
順番にパーツを外していきます。
音出しピンの構造が、シマノのリールと違いますね。
不慣れなリールは、パーツの裏側に座金などがひっついていないか注意しながら、確実に作業する方が無難です。
内部のギアパーツの取り外し
座金、ベアリングを外した後、ネジ3本外してボディを開けます。
以前にこの個体のドライブギアとピニオンギアだけ清掃したことがあるので、まだマシな状態です。
ドライブギアとピニオンギア、座金を外します。
ギアの穴にドライバーを差し込み、ネジを外してドライブギア軸を外します。
しかし、ドライブギア軸のベアリングは何で固定してあるのでしょう?
Eリングではないので、付け外しの仕方がよくわかりません。
ドライブギア軸の穴には小さい座金が2枚入っています。
私は外し忘れていて、作業途中で気づきました…。
クラッチカムの取り外し
ベアリングに茶色の液体があります。
汚れたオイル?錆び?
バネの圧力がかかっているので、パーツが飛ばないように押さえながら外していきましょう。
このバネの力が、シマノのリールより結構強く、戸惑いました。
レベルワインドの分解
クラッチパーツを外した後は、レベルワインドです。
このEリングも外しにくい。
反対側のEリングも外します。
両方ともEリングで固定されているから面倒です。
こちらのEリングは、外すときにギアを傷つけそうで怖い。
ガードカバーを外し、ウォームシャフトとピンを取り外します。
ピンによくわからないものがこびり付いていました。
ウォームシャフトギアを拭くと、古いグリス以外に、ウィードのカスがよく取れます。
琵琶湖の南湖でがっつり釣りをしたら、なりやすい症状ですね。
ベアリングの取り外し
バネを外して、サイドボディのベアリングを外します。
ハンドル側のベアリングは、内部からでないと外せない点が面倒ですね。
分解完了
これで、ドライブギア軸以外は大体分解しました。
これらをパーツクリーナーで油分を落とした後、汚れがひどいパーツを洗剤とブラシでキレイにします。
しっかり乾燥させたあと、組立開始です。
いつもシマノのリールをオーバーホールしていた自分としては、クラッチカムやウォームシャフトまわりの作業に少し困惑しました。
基本構造は大体同じですが、やはりTウイング関連のパーツで違いがありますね。
今回のリールは頑固な汚れもなく、スムーズに洗浄も終わりました。
ベアリングの清掃
パーツクリーナーでベアリングを清掃したのですが、サイドボディにはめられているベアリングの回転がおかしい…。
回転が弱まるとカッカッと何か引っかかっているような動きをします。
止まる寸前には引っかかりで跳ね返って逆転しています。
パーツクリーナーを吹きかけても直らないので、もう寿命ですね。
清掃したベアリングにオイルを注して、サイドボディとハンドル組を先に組立てておきます。
クラッチカムパーツの組立て
それでは本体を組立てていきましょう。
フレームの表面には、クラッチパーツの擦れ跡がハッキリでていますね。
ボディ表面にグリスを塗った後、レベルワインドのパーツなどを先に付けます。
クラッチカムを取り付けていきます。
クラッチカムとレベルワインドのパイプの組み合わせを忘れないように。
バネの長い方の足は、ねじ止めした後に穴にはめます。
ここのバネが、シマノのものよりだいぶ硬かったので、苦労しました。
クラッチカムをネジ止めしていきます。
先にネジ止めしておかないと、バネをはめる時にパーツが飛んで行ってしまいます。
バネを穴にはめます。
以前初めてタトゥーラを簡易清掃した時、この作業に一番手こずりました。
レベルワインドの組立て
クラッチカムの組立てができたら、次はレベルワインドです。
ガードカバーをつけましたが…。
レベルワインドのピンを入れるのを忘れていたので、取り外して作業し直し。
ここのレベルワインドとガードカバーの組立て方が、シマノと違う感じですね。
先にレベルワインドを組立ててしまうと、ギアが邪魔でガードカバーをネジ止めできない。
ギア側のEリングだけ固定して、ウォームシャフトギアを少しずらしてガードカバーをネジ止めし、そして反対側のEリングを固定する。
また、ウォームシャフトの白いプラスチックギアのはめ方が悪かったのか、レベルワインドの動きがとてもに重い!
何度か組みなおして、やっとうまくいきました。
今回のオーバーホールでは、レベルワインドの組立てが一番手こずりました。
ギアパーツの組立て
次はドライブギア軸の組立てです。
これは分解の自信がなかったので、そのまま洗浄しました。
オイルとグリスを塗って、ネジで固定します。
座金2枚も入れ忘れないように。
次は、ドライブギアとピニオンギアの組立てです。
ハンドルの組立て、そして完成
サイドボディをはめて、3本のネジで固定。
ナットや座金をはめていきます。
これらにも私はグリスを塗っています。
ハンドルを付けて完成です。
オーバーホール前は少しシャリ感がありましたが、オーバーホール後は、少しシットリとした巻き心地になりました。
またクラッチの動きも硬かったですが、グリスアップのおかげで軽くなりました。
今回はレベルワインドの組立てに苦戦。
まだまだダイワのリールのオーバーホールは修業が必要です。
- 【オーバーホール工具】リールのメンテが好きな私が選ぶ、オーバーホールに必須の工具