17セドナに、4個のベアリングとフリクションリングを入れる

この記事では、17セドナに行った上記の4つの「改造のやり方」と「必要なパーツ」について、解説しています。

シマノのスピニングリール「17セドナ」は、価格が安くて気軽の購入しやすいリールです。

しかし、ベアリングの数やパーツが少ないなど、コストダウンして作られています。

そこで、自分で改造を行って、17セドナをパワーアップさせました。
行った改造は以下の4つです。

17セドナの改造
  • ハンドルノブにベアリングを2個と座金を追加。
  • ラインローラーにベアリングを1個追加。
  • ピニオンギアのブッシュをベアリングに交換して「X-SHIP」化。
  • フリクションリングを追加。

※注意点として、リールの改造は自己責任となります。
メーカーへおオーバーホールに出せなくなったりするので、その点は注意してください。

ハンドルノブにベアリングを2個追加

リールにベアリングを追加する改造で、一番カンタンなのが「ハンドルノブへのベアリング追加」。

17セドナのハンドルノブには2つのブッシュがあるので、それをベアリングに交換します。

使用した工具とパーツ

交換作業のために必要な工具は、以下の2つです。

  1. プラスドライバー
  2. ハンドルノブキャップのリムーバー

また、使用するベアリングのサイズは、「内径4mm、外径7mm、幅2.5mm」のベアリングです。ほとんどのハンドルノブのベアリングは、この規格です。

私はミネベア社の「DDL-740ZZ NMB」を2個使用しました。

また、隙間によるノブのガタツキをなくすため、座金もあると便利です。
私は純正の座金を使用しました。

ハンドルノブの、調整用の座金

ノブにベアリング追加のやり方

まず最初に、ハンドルノブのキャップを「ハンドルノブキャップリムーバー」を使って外します。

セドナのハンドルノブとキャップ

ノブキャップリムーバー

私は夢屋のハンドルノブに付属されていたクリップのリムーバーを使用しています。
また、ヘッジホッグスタジオから専用工具の「ハンドルノブキャップリムーバー Ver.2」が販売されています。

キャップを外した後、ネジをプラスドライバーで外します。

パーツは下の写真のようになります。
白いプラスチックブッシュ2個を、ベアリングに交換します。

ハンドルノブのプラスチックブッシュをベアリングに交換する

ベアリングに交換して、座金を一枚入れて組み立てます。

ベアリングに交換したハンドルノブ

ネジを締めて、ノブの隙間や回転に問題が無ければ、キャップを付けて作業完了です。

ベアリングと座金を入れたハンドルノブ

ハンドルノブをベアリング化すると、シャッドなどの巻物の時、少し巻き感が軽くなります。

ラインローラーにベアリングを1個追加

スピニングリールのベアリング改造で、一番やっておきたい改造が、ラインローラーへのベアリング追加です。

ラインローラーのカラーをベアリングに交換することで、軽い力でラインローラーが確実に回転して、ラインの糸ヨレが軽減されます。

今回はシマノの「17アルテグラ2500HGS」のパーツを使って、ラインローラーにベアリング追加の改造を行います。

パーツ代金が高くなっても問題ない方は、ヘッジホッグスタジオから発売されているの「シマノ用 ラインローラー1BB仕様チューニングキット」もオススメです。

使用する工具とパーツ

交換作業のために必要な工具は、以下の通りです。

  1. プラスドライバー

また、追加するパーツは、以下の通りです。

  1. ベアリング (内径4mm、外径7mm、幅2.5mm)
  2. ラインローラー座金

ベアリングはハンドルノブのものと同じ規格なので、同じ「DDL-740ZZ NMB」を使用しました。

2番目のラインローラー座金は、「17アルテグラ2500HGSのパーツNo.23 ラインローラー座金」を使用。
価格は税別150円です。

17アルテグラのラインローラー座金

ラインローラーにベアリングを追加するやり方

アームカムに固定されているネジを、プラスドライバーで外します。
けっこう固いので、ネジ穴をつぶさないように注意しましょう。

17セドナのラインローラーのネジ

ネジを外したら、アームカムをゆっくり倒します。
バネの力がかかっているので、パーツをふっ飛ばさないように注意しましょう。

ラインローラーのブッシュや座金

17セドナのラインローラーの純正パーツを順番に並べてみました。

17セドナの、純正のラインローラーのパーツ

一番左のラインローラーカラーをベアリングに、そして右から2番目の座金を17アルテグラのラインローラー座金に交換します。

交換するラインローラーのパーツ

まず、ラインローラーブッシュにベアリングをはめ込みます。

ブッシュにベアリングを入れる

ラインローラーブッシュを、ラインローラーにはめ込みます。

ブッシュをラインローラーに入れる

ラインローラーに、ラインローラースペーサーをはめ込みます。

スペーサーをはめる

組み上げたラインローラーをベールに取り付けます。

組み合わせたラインローラーのパーツ

パーツを飛ばさないように、ゆっくりアームカムを戻し、ネジで固定します。これで作業は完了です。

ベアリングを追加したラインローラーをねじ止めする

この改造によって、ティッシュの先端で触れるような弱い力でも、ラインローラーが回るようになりました。

ピニオンギアにベアリングを1個追加とフリクションリングの追加

シマノのリールは、ピニオンギアの両端をベアリングで支持してパワーの伝達率が向上する「X-SHIP」の機構を、多くのリールで採用しています。

現在のスピニングリールの中では、セドナより1ランク価格帯が上の「17サハラ」からX-SHIPが採用されています。

17セドナのピニオンギアの下部を支持しているのはプラスチックブッシュですが、実はこのブッシュをベアリングに交換することが可能です。

また、スピニングリールでキャストをするときに、下の写真のようにベイルアームを返しますが、その時にローターを動かないようにする「フリクションリング」が、17セドナにはありません。

ベイルアームを返したスピニングリール

ベイルアームを返したローターが動くと、キャストの時にベイルアームが戻る可能性があります。

このフリクションリングを追加する時もローターを外す所まで分解する必要があるので、「ピニオンギアのベアリング追加」と「フリクションリングを追加」の作業を同時に行いました。

使用する工具とパーツ

交換作業のために必要な工具は、以下の2つです。

  1. プラスドライバー
  2. メガネレンチ(12mmサイズ)

また、追加するパーツは、以下の2つです。

  1. ベアリング1個「内径5mm、外径8mm、幅2.5mm」
  2. 座金1枚
  3. フリクションリング1個

ベアリングについては、ミネベア社の「DDL-850ZZ NMB」を使用しました。

17サハラでは2番目の「座金」はないのですが、1ランク上の16ナスキーには付いているので、この改造でも追加しました。

使用したのは、「16ナスキー2500HGS パーツNo.67 座金」。価格は税別100円です。

フリクションリングは「17アルテグラ2500HGS パーツNo.49 フリクションリング」を注文して使用しました(サハラでもナスキーでもOK)。
価格は税別250円。

フリクションリングとベアリングと座金

ベアリング追加とフリクションリング追加のやり方

最初にスプールやハンドルを外しておきます。

そしてスプール受けを抜き取り、ローターナットゆるみ止めの座金を外します。

スプールを外して、見えるパーツ

スプール受けと座金を外す

次にローターナットをメガネレンチで外します。

ローターナットを外す、12mmのメガネレンチ

スピニングリールのローターナットのサイズは、多くのリールが12mmです。

ローターナットを外す

ローターを外すと、ローラークラッチ組と座金が見えます。

ローターを外してあらわれたローラークラッチ

ローラークラッチのネジ3本を外し、ローラークラッチを取り外します。
残っている1本を外すと、ローラークラッチがバラバラになるので注意。

ネジ3本を外して、ローラークラッチを外す

次にボディガードの固定ネジを外します。

ボディガードのネジを外す

ボディガードを外すと、17セドナのボディを固定する3本のネジが見えます。

ボディを固定している3本のネジ

固定ネジ3本を外すと、ボディのフタを外すことができます。

17セドナのボディを開ける

次に、ピニオンギアをベアリングごと抜き取ります。

17セドナのピニオンギアを抜き取る

次は摺動子ガイドを抜き取ります。

摺動子ガイドを抜き取る

ガイドを抜き取ることで、メインシャフトをずらしてドライブギアを外すことができます。

17セドナのドライブギアを外す

最後に、メインシャフトをを抜き取ります。

メインシャフトを抜き取る

分解作業はここまでです。ピニオンギアがあった場所に、白いピニオンギア用ブッシュが見えます。

ピニオンギア用ブッシュ

このピニオンギア用ブッシュを、ベアリングに交換します。
オイルなどは、好きなものを注しておいてください。

ピニオンギア用ブッシュをベアリングに交換する

そして、メインシャフトやドライブギアを戻します。

メインシャフトやドライブギアを組み立てる

ピニオンギアとベアリングの間に、座金を1枚入れます。

ピニオンギアとベアリングの間に座金を入れる

ピニオンギアと上部のベアリングを戻します。ギアを回しながら入れれば、戻すことができます。

ピニオンギアをはめる

ボディのフタを、3本のネジで固定します。

17セドナのボディを、3本のネジで固定する

ここで1つ注意点があります。

スピニングリールを組み上げるとき、ボディの固定ネジの締め具合の強弱を調整して、「ギアの芯だし」を行う必要があります。

芯だしを行わないと、スピニングリールを組み上げたとき、巻き感がゴリゴリになってしまいます。

ボディのネジを締めたら、ハンドルを付けて回します。
途中で引っかかりやゴリ感を感じるので、ネジの締め具合を変えながら、最もハンドルが滑らかに回転する位置を探しましょう。

ハンドルを回しながら、リールの芯だしを行う

芯だしができたら、ボディガードを取り付けます。

次に、ここでフリクションリングを追加します。
フリクションリングのグリスは、できるだけ粘度が高いものを使用しましょう。

フリクションリングを追加する

次に、ローラークラッチを3本のネジで固定します。

ここでも、ハンドルの巻き感に違和感がないか、一応確認します。

ローラークラッチをネジで固定する

そしてローターを取り付けて、ローターナットで固定します。

ローターをナットで固定する

ローターナットの締め具合でも巻き感が変化することがあるので、違和感が出ない範囲で強めに締めておきましょう。

ローターの組付けができたら、スプール受けなどを取り付けます。

スプール受けなどのパーツを取り付ける

スプールを付けて、作業は完了です。

17セドナの組み立てと改造が完了

まとめ

この記事では、シマノの17セドナに4個のベアリングと、フリクションリングなどのパーツを取り付ける方法について解説しました。

同じシマノのベイトリールでいえば「バスライズ」の価格帯にあたる17セドナ。
しかし4個のベアリングやパーツを追加すれば、16ナスキーに負けないと言えるでしょう。

防水機構はありませんが、特にラインローラーにベアリングを追加して糸ヨレが減ることで、細いラインへの対応力がアップしました。

パーツも少ないので、分解作業もしやすいスピニングリールです。

いわゆる”安物”である17セドナを自分で改造して、これで大物を釣って上級リールに対抗するのも面白いでしょう。